介護費用を軽くする公的な制度まとめ
高額介護サービス費・負担限度額認定証など

サイト管理人
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祖父母の施設入居・父親の入院と緩和ケアを経験。実体験をもとに情報をお届けします。
介護のお金の話でいちばんもったいないのは、「使えたのに、知らなかった」という状態です。
介護保険には、自己負担が重くなりすぎないように上限をつけたり、あとから払い戻したり、食費や部屋代を安くしたりする公的な制度がいくつも用意されています。
ところが、そのほとんどが自分で申請しないと使えません。黙って待っていても自動で安くなるわけではないのです。
この記事では、「これは何のための制度か」を一言で言い換えながら、代表的な制度をまとめて整理します。
⚠️ はじめにお読みください(金額について)
この記事は、公的機関や市区町村が公開している情報をもとにまとめた一般的な情報です。
介護と医療のお金の制度は、2026年8月1日から内容が変わる部分があります(詳しくは⑩でご説明します)。また、上限額や対象になる条件は所得や世帯の状況によって人それぞれ異なり、自治体によって運用が違うこともあります。
そのため、この記事ではあえて具体的な金額を書いていません。金額は「仕組み」を理解したうえで、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口、または担当のケアマネジャーに確認するのがいちばん確実です。

① まず知ってほしいこと——「申請しないと使えません」

介護保険のサービスを使うと、かかった費用のうち一定の割合(1割・2割・3割のいずれか)を自分で払います。問題は、その負担が積み上がったときです。介護の期間は何年にもわたることが多く、施設に入れば食費や部屋代も別にかかります。

そこで国は、負担が一定の額を超えたら、それ以上は取らない(あるいは超えた分を返す)という仕組みをいくつも用意しています。この記事で紹介する制度は、すべてそのための制度です。

✅ この記事でおさえてほしい3つのこと
  • 制度の多くは「申請して初めて使えるもの」です。役所が自動で安くしてくれるわけではありません
  • 申請できる期間には限りがある場合があります。気づくのが遅れると、もらえたはずのお金を受け取れないことがあります
  • ひとりで調べきる必要はありません。担当のケアマネジャーや市区町村の窓口に「使える制度はありますか」と聞くのが最短ルートです

「こんなことを聞いていいのだろうか」と遠慮は不要です。制度の案内は、窓口やケアマネジャーの仕事のひとつです。

② 使える制度の全体像

制度の名前はどれも長くて、正直わかりにくいです。まずは「何を安くする制度なのか」で並べてみます。

制度の名前 ひとことで言うと 主な窓口
高額介護
サービス費
1か月の介護サービスの自己負担に上限をつけ、超えた分を払い戻す 市区町村の
介護保険担当課
負担限度額認定
(特定入所者介護サービス費)
特養などの施設で払う食費・部屋代を軽くする 市区町村の
介護保険担当課
高額医療・高額介護
合算療養費制度
医療と介護の1年分を合算して、上限を超えた分を払い戻す 加入している
医療保険の窓口
社会福祉法人等による
利用者負担軽減制度
収入の少ない方について、施設側の協力で利用料・食費・部屋代を軽くする 市区町村の
介護保険担当課
医療費控除 1年間に払った医療費・介護費の一部を税金の計算から差し引く 税務署
(確定申告)
障害者控除 一定の状態と認定された高齢者について税金の控除を受けられる 市区町村
+税務署

大きく分けると、前半4つが「介護保険・医療保険のなかで安くする制度」、後半2つが「税金で取り戻す制度」です。性質が違うので、両方あわせて確認しておくと取りこぼしが減ります。

③ 高額介護サービス費——月の負担に「上限」をつける制度

ひとことで言うと:1か月に払う介護サービスの自己負担に上限を決めて、超えた分をあとから返してくれる制度です。

介護サービスをたくさん使った月は、自己負担もそれだけ増えます。でもこの制度があるため、1か月の自己負担は所得に応じた上限額までで打ち止めになります。上限を超えて払った分は、申請すると払い戻されます。

上限額は「所得と世帯の状況」で決まります

上限額はひとつではありません。世帯の課税状況や課税所得の額によって、いくつかの段階に分かれています。所得が高い世帯は上限が高く、住民税が非課税の世帯は上限が低く(=より手厚く)設定されています。

ここで大事なのは、「世帯」で判定される部分があるという点です。同じ世帯に所得の多い家族がいると、上限額の段階が上がることがあります。ご自分の家庭がどの段階にあたるかは、窓口で確認してください。

対象になる費用・ならない費用

この制度が対象にしているのは「介護サービスの自己負担」です。介護に関わるすべての出費が戻るわけではありません。ここを勘違いすると「思ったより戻らなかった」となりやすいところです。

対象になるもの 対象にならないもの(一般的な例)
訪問介護、デイサービス、ショートステイなど介護保険サービスの自己負担分 施設や事業所で払う食費・部屋代(居住費・滞在費)
施設サービスの介護費の自己負担分 おむつ代・理美容代・レクリエーション費などの日常生活費
同じ世帯の複数の人が使った分の合算(世帯で合算できる仕組みがあります) 福祉用具の購入費・住宅改修費、支給限度額を超えて全額自己負担した分

申請の流れ

📝 大まかな流れ(自治体により異なります)
  • 1. お知らせが届く——上限を超えた月があると、多くの自治体では市区町村から「支給申請のお知らせ」が郵送されてきます(届く時期は数か月後になることが一般的です)
  • 2. 申請書を出す——振込先の口座などを書いて、市区町村の介護保険担当課に提出します
  • 3. 払い戻し——指定した口座に振り込まれます
  • 4. 2回目以降——多くの自治体では、初回に申請しておけば以降は自動的に同じ口座へ振り込まれます。この扱いは自治体によって異なるので確認してください
⚠️ お知らせが届かないこともあります
引っ越しをした、住所の届け出が古いまま、といった事情でお知らせが届かないこともあります。「上限を超えた月がありそうなのに何も届かない」と感じたら、待たずに市区町村の介護保険担当課に問い合わせてください。

④ 負担限度額認定証——施設の食費・部屋代を軽くする制度

ひとことで言うと:特別養護老人ホームなどに入るとき、介護費とは別にかかる「食費」と「部屋代」を、収入の少ない方について安くする制度です。

③の高額介護サービス費では、食費と部屋代は対象外でした。施設に入ると、この食費・部屋代がかなりの割合を占めます。そこを助けるのがこの制度です。

制度の正式な名前は「特定入所者介護サービス費」で、「補足給付」と呼ばれることもあります。この給付を受けるために市区町村へ申請して交付してもらう証明書が、「介護保険負担限度額認定証」です。名前がいくつもあってややこしいのですが、中身は同じ話だと考えてください。

どこで使えるのか

一般的に、対象になるのは介護保険の施設です。具体的には次のようなところで、ショートステイも対象に含まれます。

🏠 主な対象施設
  • 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護医療院
  • ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)

一方で、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、介護保険施設ではない住まいの家賃・食費は対象になりません。ここは施設選びのときに大きく効いてくる違いなので、覚えておいてください。施設の種類の違いは施設の種類の記事もあわせてご覧ください。

対象になる条件——「非課税」と「預貯金」の両方

この制度は、収入や資産が少ない方を対象にしています。一般的には、次の2つを両方満たすことが条件とされています。

✅ 大きく2つの条件(詳細は自治体で確認してください)
  • ①住民税が非課税であること——本人と同じ世帯の全員が市町村民税非課税であること。加えて、配偶者が別世帯であっても、その配偶者も非課税であることが求められます(世帯を分けても配偶者の状況は確認される、というのがポイントです)
  • ②預貯金などが基準額以下であること——本人(配偶者がいる場合は夫婦あわせて)の預貯金等が、決められた基準額以下であること。基準額は所得の段階によって違います

そして、条件を満たす方のなかでも年金収入などの額に応じて段階が分かれ、段階ごとに食費・部屋代の上限額が決まります。部屋代は「ユニット型個室」「多床室(相部屋)」など部屋のタイプによっても違います。

つまり、実際にいくらになるかは「段階 × 部屋のタイプ」で決まります。金額は必ず、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口か、入居を検討している施設に確認してください。

申請の流れと、注意してほしいこと

📝 大まかな流れ(自治体により異なります)
  • 1. 市区町村の介護保険担当課に申請——申請書に加えて、本人と配偶者の預貯金等がわかる書類(通帳の写しなど)の提出を求められるのが一般的です
  • 2. 認定証が交付される——条件に該当すると「介護保険負担限度額認定証」が届きます
  • 3. 施設に提示する——認定証を施設に見せることで、請求される食費・部屋代が軽減された額になります
⚠️ ここがいちばん大事です
① 認定は、原則として「申請した月の初日」からの適用になるのが一般的です。つまり、あとから気づいて申請しても、過去の分までさかのぼって軽減されないことが多いということです。入所が決まったら、できるだけ早く申請してください。

② 有効期間は1年で、毎年更新が必要です。有効期間は一般的に「8月1日から翌年7月31日まで」で、毎年夏に更新の手続きが必要になります。更新を忘れると軽減が切れて、食費・部屋代が一気に上がります。更新のお知らせが届いたら、必ず期限内に手続きをしてください。

入所中で本人が手続きをするのが難しい場合、家族が代わりに申請するのが一般的です。施設の相談員(生活相談員・支援相談員)やケアマネジャーが手続きを手伝ってくれることも多いので、まず声をかけてみてください。

⑤ 高額医療・高額介護合算療養費制度——1年分をまとめて計算する制度

ひとことで言うと:医療と介護の両方にお金がかかった1年について、両方を合算して上限を超えた分を払い戻す制度です。

③の高額介護サービス費は「介護だけ」の1か月の話、医療の高額療養費は「医療だけ」の1か月の話です。ところが実際の家庭では、入院もして、介護サービスも使ってという年が珍しくありません。それぞれの制度では上限を超えていなくても、合わせれば相当な負担になります。そこを助けるのがこの制度で、「医療+介護をたし算して、年単位でならしてくれる制度」と考えると分かりやすいと思います。自治体によっては「高額医療合算介護サービス費」という呼び方で案内されています。

📅 押さえておきたい4つのポイント
  • 計算する期間は「8月1日から翌年7月31日まで」の1年間です(1月から12月ではありません)
  • 合算するのは、同じ医療保険に加入している世帯の自己負担です。医療保険が別々の家族どうしは合算できません
  • すでに高額療養費や高額介護サービス費で戻った分は差し引いて計算します(二重には戻りません)
  • 上限額は年齢と所得によって細かく分かれています。金額は加入している医療保険の窓口で確認してください

申請先が③とは違います

ここが混乱しやすいところです。この制度の申請先は「市区町村の介護保険担当課」ではなく、加入している医療保険の窓口です。

加入している保険 申請する窓口
国民健康保険 市区町村の国民健康保険の担当課
後期高齢者医療制度 市区町村の後期高齢者医療の担当課
会社の健康保険
(協会けんぽ・健康保険組合など)
加入している健康保険組合や協会けんぽ。あわせて、市区町村で発行してもらう介護保険の自己負担額証明書が必要になるのが一般的です
⚠️ 案内が届かないケースがあります
対象になりそうな世帯には、期間の終わり(7月31日)を基準に案内が送られてくることが多いのですが、その1年のあいだに引っ越しをした、加入している医療保険が変わった(会社を退職して国保に移ったなど)場合は、案内が届かないことがあります。
医療も介護も両方使った年に心当たりがあれば、案内を待たずに、加入している医療保険の窓口に「合算の対象になりますか」と聞いてみてください。

⑥ 社会福祉法人等による利用者負担軽減制度

ひとことで言うと:収入や資産が少ない方について、施設・事業所側の協力で利用料や食費・部屋代を軽くする制度です。

これは③〜⑤に比べて知られていない制度です。というのも、すべての施設で使えるわけではないからです。社会福祉法人などが運営する事業所のうち、この取り組みに協力しているところで使える仕組みで、実施している自治体・法人・対象サービスの範囲は地域によって異なります。

💡 一般的な内容(自治体によって異なります)
  • 対象になる方——住民税が世帯非課税で、年間の収入や預貯金等が定められた基準以下、活用できる資産がない、親族などに扶養されていない、介護保険料を滞納していない、といった条件を満たす方
  • 軽減されるもの——介護サービスの自己負担分、食費、部屋代(居住費・滞在費)などが、一般的に4分の1程度軽減されるとされています(老齢福祉年金を受けている方はさらに手厚くなるなど、扱いは異なります)
  • 手続き——市区町村に申請して「確認証」を交付してもらい、それを事業所に提示します

「うちの自治体でやっているのか」「検討している施設は対象なのか」は、調べないと分かりません。市区町村の介護保険担当課か、ケアマネジャー、施設の相談員に「社会福祉法人等の利用者負担軽減は使えますか」と聞いてみてください。制度名をそのまま言えば伝わります。

なお、自治体が独自に行っている助成や減免(おむつ代の助成、低所得の方への独自の軽減など)がある場合もあります。これも地域差が大きい部分なので、あわせて窓口で確認する価値があります。

⑦ 税金で軽くする——医療費控除と障害者控除

ここまでは介護保険・医療保険のなかの制度でした。もうひとつ、税金の側で取り戻せるものがあります。忘れられがちですが、金額としては小さくありません。

医療費控除

ひとことで言うと:1年間に払った医療費(一定の介護サービス費を含む)を申告することで、税金の計算のもとになる所得を減らせる制度です。

意外に思われるかもしれませんが、介護サービスの利用料のなかにも、医療費控除の対象になるものがあります。ただし「どのサービスが対象か」に細かい決まりがあり、施設の種類やサービスの組み合わせによって扱いが変わります。

詳しくは専用の記事で解説していますので、こちらをご覧ください。
→ 介護でかかった費用は医療費控除の対象になる?

障害者控除(障害者控除対象者認定書)

ひとことで言うと:障害者手帳を持っていない高齢者でも、市区町村が一定の状態にあると認定すれば、税金の障害者控除を受けられる制度です。

これは知らない方が多い制度です。手帳がなくても、市区町村が「障害者に準ずる状態」だと認定した場合、認定書を発行してもらえます。この認定書を確定申告や住民税の申告のときに使うことで、所得税・住民税の控除を受けられます。

⚠️ 誤解しやすい点
「要介護認定を受けている」だけで自動的に障害者控除の対象になるわけではありません。認定の基準は市区町村が定めており、認知症の程度や身体の状態などをもとに判断されます。要介護度がいくつなら該当する、という単純な話ではないため、まずは市区町村の高齢福祉・介護保険の担当課に「障害者控除対象者認定書の対象になりますか」と問い合わせてください。

なお、税金の申告は、あとからさかのぼって手続きできる場合があります。「去年も対象だったかもしれない」と思ったら、税務署や市区町村の税務担当課に相談してみてください。期間の扱いを含めて教えてもらえます。

⑧ 「世帯分離」は慎重に考えてください

介護費用の話を調べていると、「世帯分離をすれば安くなる」という情報に出会うことがあります。ここは特に丁寧にお伝えしたいところです。

世帯分離とは、同じ住所に住んだまま、住民票の世帯を分ける手続きのことです。介護の制度には「世帯の課税状況」で判定されるものがあるため、世帯を分けることで結果的に負担の段階が下がる場合があります。

ただし、これは「介護費用を安くするための制度」ではありません。あくまで住民票上の世帯のあり方を変える手続きであり、影響は介護以外にも広く及びます。

⚠️ 見落とされがちな「不利になる面」
  • 保険料が上がることがあります——国民健康保険や後期高齢者医療の保険料は世帯ごとにかかる部分があるため、世帯を分けると合計の保険料が増えるケースがあります
  • 会社の手当や扶養から外れることがあります——扶養手当・家族手当が支給されなくなる、健康保険の被扶養者の扱いが変わる、といった影響が出ることがあります
  • 「世帯で合算する」仕組みが使えなくなることがあります——③の高額介護サービス費や⑤の合算制度には、同じ世帯・同じ医療保険でまとめて計算する仕組みがあります。世帯を分けると、この合算ができなくなる場合があります
  • 手続きが増えます——別世帯になると、親の証明書を取るときに委任状が必要になるなど、日常の手続きの手間が増えることがあります

つまり、「介護費用は下がったけれど、別のところで上がった」という結果になることが十分ありえます。どちらが得かは家庭の収入・保険の種類・家族構成によって変わり、一般論では判断できません。

💡 判断する前に必ずやってほしいこと
  • 市区町村の窓口で試算してもらう——「世帯分離を検討しているのですが、保険料や介護の負担がどう変わるか教えてもらえますか」と相談してください。具体的に計算してもらえることがあります
  • ケアマネジャーに相談する——介護の側からの影響について、状況を知っている立場で助言をもらえます
  • 介護以外への影響も確認する——勤務先の手当や健康保険への影響は、会社の担当部署にも確認が必要です

このサイトとしては、世帯分離を「おすすめ」することはしません。選択肢として存在することをお伝えするにとどめ、判断は必ず窓口と専門職に相談してから、とお願いしています。

なお、これらの申請は本人か家族が行うのが基本ですが、本人の判断能力が下がっていて手続きが進まないときは、親の口座からお金が下ろせない時で扱っている仕組みが関わってきます。

⑨ 申請の実務——どこに、何を持って、誰が

制度がわかっても、「実際にどうすればいいのか」が分からないと動けません。ここを整理しておきます。

どこに行けばいいのか

介護保険の制度(③④⑥)は、お住まいの市区町村の介護保険担当課が窓口です。ただし課の名前は自治体によって違います。「介護保険課」「高齢福祉課」「長寿支援課」など呼び方はさまざまなので、代表電話で「介護保険の負担の軽減について聞きたい」と伝えれば、担当につないでもらえます。

⑤の合算制度は、前述のとおり加入している医療保険の窓口です。⑦の税金は税務署(住民税は市区町村)が窓口になります。

何を持っていけばいいのか

制度によって違いますが、次のものは共通して求められることが多いので、あらかじめ用意しておくと手続きが早く進みます。

📄 よく求められるもの(事前に窓口で確認を)
  • 介護保険の被保険者証(本人のもの)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)と、マイナンバーがわかるもの
  • 振込先の口座がわかるもの(通帳やキャッシュカード)——払い戻しを受ける制度で必要になります
  • 預貯金等がわかる書類(通帳の写しなど)——負担限度額認定など、資産の要件がある制度で必要になります。本人だけでなく配偶者の分も求められるのが一般的です
  • 手続きに来る人の本人確認書類と、必要な場合は委任状

何を持っていくかは自治体によって細かく違います。行く前に電話で「何を持っていけばいいですか」と確認するのが、二度手間を防ぐいちばん確実な方法です。

誰が手続きできるのか

本人が高齢だったり、入院・入所中で動けないことも多いと思います。多くの場合、家族が代理で申請できます。委任状が必要かどうかは自治体や手続きによって異なるので、これも事前に確認してください。

🤝 ケアマネジャーに聞けば教えてもらえること
  • いま使っているサービスで、高額介護サービス費の上限を超えそうか
  • 入所を検討している施設が、負担限度額認定や社会福祉法人等の軽減の対象になるか
  • お住まいの自治体独自の助成があるか
  • 申請書類の書き方、窓口での聞き方

ケアマネジャーがまだ決まっていない段階なら、地域包括支援センターが相談先になります。市区町村が設置している無料の窓口で、本人だけでなく支援している家族も相談できます。相談窓口については介護の相談はどこにすればいい?もあわせてご覧ください。

⑩ 見落としがちな注意点(期限・更新・2026年8月の改定)

最後に、実際につまずきやすいポイントを4つ挙げます。ここを知っているだけで、損を防げます。

1. 申請しなければ、1円も戻りません

上限を超えていても、条件に該当していても、申請しなければ制度は動きません。「該当していれば役所が勝手に安くしてくれる」と思って待っていると、そのまま時間が過ぎてしまいます。

2. さかのぼれる期間には限りがあります

払い戻しを受ける制度には、申請できる期限が決められているのが一般的です。たとえば高額介護サービス費は、サービスを利用した月の翌月1日から2年とされています。期限を過ぎると、本来受け取れたはずのお金が受け取れなくなります。また、負担限度額認定のようにそもそも過去にさかのぼれない制度もあります(原則として申請した月の初日から適用)。「気づいたらすぐ申請」が基本です。

3. 毎年の更新を忘れないでください

負担限度額認定証は1年ごとの更新です。更新しないと軽減が切れて、翌月から食費・部屋代の請求額が上がります。施設に入っていると請求書の中身を細かく見なくなりがちですが、毎年夏は更新の時期だと覚えておいてください。

4. 2026年8月1日から、内容が変わる部分があります

この記事を公開している2026年7月時点で、お金に関する制度の見直しが予定されています。この記事で具体的な金額を書いていないのは、このためです。

⚠️ 2026年7月時点で予定されている見直し
  • 介護保険の側——2026年8月1日から、施設の食費・部屋代の負担限度額など、一部の金額や所得段階の判定基準が見直されるとされています
  • 医療保険の側——高額療養費制度についても2026年8月からの見直しが予定されており、その後さらに段階的な変更が予定されているとされています
つまり、ネットで見つけた金額の記事が、すでに古くなっている可能性があります。8月以降に届いた施設からの請求書や、役所からのお知らせは、金額が変わっていないか必ず目を通してください。
そして、最新の金額は必ず、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口、加入している医療保険の窓口、または担当のケアマネジャーにご確認ください。

不安に感じられたかもしれませんが、逆に言えば、「今のわが家はどうなりますか」と聞ける窓口が必ずあるということです。制度が変わるタイミングは、窓口も問い合わせを想定しています。遠慮なく聞いてください。

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📌 まとめ

  • 介護のお金には負担を軽くする公的な制度がいくつもある。ただし多くは自分で申請しないと使えない
  • 高額介護サービス費=1か月の介護サービスの自己負担に上限をつけ、超えた分を払い戻す制度。食費・部屋代・日常生活費は対象外
  • 負担限度額認定証(特定入所者介護サービス費)=特養など介護保険施設の食費・部屋代を軽くする制度。住民税非課税と預貯金の要件の両方が必要。さかのぼれず、毎年更新
  • 高額医療・高額介護合算療養費制度=8月から翌年7月までの1年で医療と介護を合算する制度。申請先は医療保険の窓口
  • 社会福祉法人等による利用者負担軽減制度=実施している法人・自治体でのみ使える。まず「使えますか」と聞いてみる
  • 税金の側では医療費控除と障害者控除(認定書)も確認を。要介護認定だけで障害者控除の対象になるわけではない
  • 世帯分離は安易に決めないこと。保険料や手当で不利になることもあるため、必ず窓口で試算してもらう
  • 窓口は市区町村の介護保険担当課。ケアマネジャーや地域包括支援センターに聞くのが最短
  • 2026年8月1日から見直される部分があります。金額は必ず最新のものを窓口で確認してください

制度の名前は難しいですが、窓口で言うべきことはシンプルです。「介護の費用が負担で困っています。使える軽減の制度はありますか」——これだけで大丈夫です。あとは向こうが順番に確認してくれます。ひとりで調べ切ろうとしなくて構いません。

⚠️ この記事について
この記事は、厚生労働省・国税庁・各市区町村などが公開している情報をもとにまとめた一般的な情報(2026年7月25日時点)です。制度の内容・上限額・対象になる条件は改定されることがあり、また自治体によって運用が異なります。
実際の金額や、ご家庭が対象になるかどうかは、必ずお住まいの市区町村の介護保険担当窓口、加入している医療保険の窓口、担当のケアマネジャー、税金については税務署にご確認ください。