介護でかかった費用は
医療費控除の対象になる?
介護費用は毎月かなりの金額になります。実は、一部の介護費用は「医療費控除」の対象になり、確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性があります。
この記事では、対象になるもの・ならないもの、申請の流れをわかりやすく解説します。
※本記事の情報は2026年時点のものです。制度は変更される場合がありますので、詳細は税務署または税理士にご確認ください。
この記事では、対象になるもの・ならないもの、申請の流れをわかりやすく解説します。
※本記事の情報は2026年時点のものです。制度は変更される場合がありますので、詳細は税務署または税理士にご確認ください。
① 医療費控除とは
医療費控除とは、1年間(1月〜12月)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税・住民税の一部が戻ってくる制度です。確定申告を行うことで還付を受けられます。
✅ 医療費控除の基本(2026年時点の目安)
- 対象:本人・生計を一にする家族全員の医療費を合算できる
- 控除の計算:(医療費の合計)−(保険などで補填された金額)− 10万円 = 控除額(※総所得が200万円未満の場合は総所得の5%)
- 申請先:居住地の税務署(確定申告)
- 申請期限:翌年の2月16日〜3月15日(過去5年分まで遡って申請可)
介護にかかる費用の中には、医療費控除の対象になるものとならないものが混在しています。支払い先や費用の種類によって判断が異なるため、注意が必要です。
② 介護費用で対象になるもの
税金以外にも、申請すれば負担が軽くなる公的な制度があります。介護費用を軽くする制度まとめもあわせてご覧ください。
介護費用のうち、以下のものは医療費控除の対象になる可能性があります(2026年時点の情報。施設の種類・サービス内容によって異なります)。
在宅介護サービスの場合
| サービス | 医療費控除の対象 |
|---|---|
| 訪問看護 | ◎ 対象(医療系サービス) |
| 訪問介護(身体介護) | ○ 医療系サービスと併用の場合、対象になることが多い |
| 訪問介護(生活援助のみ) | × 対象外 |
| 通所リハビリ(デイケア) | ◎ 対象 |
| 通所介護(デイサービス) | × 原則対象外(医療系サービスとの併用がない場合) |
| 訪問リハビリ | ◎ 対象 |
| 短期入所療養介護(医療型ショートステイ) | ◎ 対象 |
| 短期入所生活介護(福祉型ショートステイ) | × 原則対象外 |
施設入居の場合
| 施設タイプ | 医療費控除の対象 | 備考 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | ○ 一部対象 | 介護費・食費・居住費の1/2が対象になる |
| 介護老人保健施設(老健) | ◎ 対象 | 介護費・食費・居住費が対象 |
| 介護療養型医療施設・介護医療院 | ◎ 対象 | 医療機関に近い施設のため全額対象になりやすい |
| 介護付き有料老人ホーム | ○ 一部対象 | 医療系サービス費用の部分が対象。施設発行の領収書で確認 |
| グループホーム | × 原則対象外 | 医療系サービスの利用がある場合は個別に確認 |
⚠️ 「介護保険自己負担分」が対象であることに注意
医療費控除の対象になるのは、介護保険の自己負担分(1〜3割)です。介護保険が負担した部分(7〜9割)は対象外です。また、おむつ代なども一定の条件を満たせば対象になることがあります。
③ 対象にならないもの
以下の費用は、原則として医療費控除の対象外です。
✅ 医療費控除の対象にならない主な費用
- 施設の入居一時金・保証金
- 日常生活費(理美容・レクリエーション費用など)
- 生活援助のみの訪問介護費
- 福祉用具のレンタル・購入費(一部例外あり)
- 住宅改修費用(手すり設置・段差解消など)
- グループホームの居住費・食費
④ 申請方法の概要
医療費控除は、毎年の確定申告で申請します。会社員の方でも、介護費用の医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。
申請の流れ
💡 申請手順(目安)
- ステップ1:1年間の領収書を集める——施設・病院・薬局などから発行された領収書をすべて保管しておく
- ステップ2:医療費の合計を計算する——「医療費控除の明細書」に記入。国税庁のウェブサイトで書式が入手できます
- ステップ3:確定申告書に記入して提出——税務署の窓口・郵送・e-Tax(電子申告)のいずれかで提出
- ステップ4:還付金が口座に振り込まれる——申告後、数週間〜1か月程度で振り込まれます
2017年分(2018年の確定申告)から、医療費の領収書を確定申告書に添付する必要がなくなりました。ただし、5年間は税務署から提示を求められる可能性があるため、領収書は捨てずに保管してください。
⑤ 注意点
施設の費用そのものの相場は老人ホームの費用は月いくら?で解説しています。
⚠️ 注意点①:介護施設の領収書は「内訳明細」を必ずもらう
施設の月次請求書・領収書には、「介護保険適用分」「食費」「日常生活費」などの内訳が記載されています。医療費控除の対象になる費用を正確に把握するためには、この内訳が必要です。施設に「明細付きの領収書を発行してほしい」と依頼しましょう。
⚠️ 注意点②:おむつ代は「おむつ使用証明書」が必要
おむつ代を医療費控除の対象にするには、医師が発行する「おむつ使用証明書」が必要です(2026年時点)。6か月以上寝たきりの状態で、医師が必要と認めた場合に発行されます。
⚠️ 注意点③:制度は変更される場合があります
本記事の内容は2026年時点の情報をもとにしています。医療費控除の対象範囲や申請方法は変更される場合があります。実際に申請する際は、税務署または税理士に最新の情報をご確認ください。
📌 まとめ
- 介護費用の一部は医療費控除の対象になる(2026年時点)
- 医療系サービス(訪問看護・リハビリ・老健など)は対象になりやすい
- グループホームや生活援助の訪問介護は原則対象外
- 施設の領収書は「内訳明細」付きのものを保管する
- 申請は翌年2〜3月の確定申告で。過去5年分まで遡れる
- 詳細は税務署または税理士に相談することをおすすめします
介護費用は長期にわたって積み重なります。医療費控除をうまく活用して、少しでも家族の負担を軽減してください。申請が難しいと感じたら、税務署の無料相談窓口(確定申告期間中に開設)を利用するのもおすすめです。