要介護1・2でも入れる老人ホームは?
軽度のうちから検討できる施設
この記事では、要介護1・2でも入居できる施設の種類・費用・特徴を、事実をもとに整理しました。
① 要介護1・2とはどんな状態か
要介護度は、介護保険の認定で決まる「どのくらい介護が必要か」の目安です。要介護1・2はいわゆる「軽度」にあたります。
| 要介護度 | 状態の目安 | 支給限度額の目安(月額) |
|---|---|---|
| 要介護1 | 日常生活の一部に介助が必要。歩行や立ち上がりがやや不安定なことも | 約16万7千円相当 |
| 要介護2 | 食事・入浴・排泄などに部分的な介助が必要。一人での外出が難しいことも | 約19万7千円相当 |
② 特養は原則「要介護3以上」が対象
施設を探し始めると、「特養(特別養護老人ホーム)」という名前をよく聞きます。費用が安く人気の高い施設ですが、要介護1・2の方は原則として入居対象外です。
2015年の介護保険法改正以降、特養の入居要件は「要介護3以上」が原則とされています。例外的に要介護1・2でも入居できるケースもありますが、それは特別な事情(認知症の進行・家族による虐待リスクなど)が認められた場合に限られ、一般的ではありません。
- 公的施設のため費用が安い(月5〜15万円程度)
- 入居条件:原則として要介護3以上・65歳以上
- 申し込みから入居まで数ヶ月〜数年かかることが多い
- 要介護1・2では原則として申し込みもできない
③ 要介護1・2でも入れる主な施設
特養に入れなくても、要介護1・2の方が選べる施設はいくつかあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
介護付き有料老人ホーム
施設のスタッフが24時間体制で介護サービスを提供する民間施設です。要介護1から入居できる施設が多く、介護度が上がっても同じ施設で継続して暮らせる点が強みです。
費用は月額15〜35万円程度が目安で、特養より高くなりますが、待機期間は比較的短く、入居しやすい点が特徴です。施設によってサービスの質や設備の充実度に差があるため、必ず複数施設を見学して比較することをおすすめします。(2026年時点の目安。施設・地域で異なります)
住宅型有料老人ホーム
介護付きと異なり、介護サービスを施設内で一括提供するのではなく、外部の訪問介護事業者と個別に契約して利用する形式です。要介護1・2の比較的元気な方にとっては、必要なサービスだけを選んで利用できる点が魅力です。
費用の目安は月12〜25万円程度。ただし介護サービスを多く使うほどコストが上がるため、介護度が上がった際の費用変動には注意が必要です。(2026年時点の目安。施設・地域で異なります)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
バリアフリーの高齢者向け賃貸住宅に、安否確認と生活相談サービスが付いたものです。「施設」というより「住まい」の感覚に近く、自由度が高いのが特徴です。
入居条件は60歳以上が基本で、要介護1・2の方でも入居しやすいタイプです。費用は月10〜25万円程度が目安ですが、介護が必要になった際は外部サービスを個別に手配する必要があります。(2026年時点の目安。物件・地域で異なります)
グループホーム(認知症の診断がある場合)
認知症の方を対象とした小規模な共同生活の場です。入居条件に「認知症の診断があること」が含まれており、要支援2〜要介護5が対象です。要介護1・2でも、認知症と診断されていれば入居を検討できます。
少人数(5〜9人程度)での家庭的な環境で生活できるため、認知症の方の「なじみの環境」づくりに適しているといわれます。費用は月15〜30万円程度が目安です。(2026年時点の目安。施設・地域で異なります)
④ 施設タイプ別の比較表
要介護1・2で検討できる施設を横並びで比較しました。
| 施設タイプ | 受け入れ要介護度の目安 | 月額費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 介護付き有料老人ホーム | 要介護1〜5(施設による) | 15〜35万円程度 | 24時間介護対応。重度化しても住み続けやすい |
| 住宅型有料老人ホーム | 自立〜要介護5(施設による) | 12〜25万円程度 | 外部の介護サービスを個別利用。軽度向けが多い |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 自立〜軽度(60歳以上) | 10〜25万円程度 | 賃貸感覚で自由度が高い。介護は外部手配 |
| グループホーム | 要支援2〜要介護5 ※認知症の診断が必要 |
15〜30万円程度 | 認知症専門の小規模共同生活。家庭的な環境 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 要介護3以上(原則) | 5〜15万円程度 | 費用が安いが、要介護1・2は原則入居不可 |
※2026年時点の目安です。費用・受け入れ条件は施設・地域によって異なります。入居前に必ず各施設・自治体にご確認ください。
⑤ 軽度のうちに動くメリット
「まだ要介護1・2だから」と施設探しを後回しにするケースは多いです。しかし軽度のうちから動き出すことには、はっきりとしたメリットがあります。
- 選択肢が多い:要介護度が上がるほど入居できる施設の種類は絞られます。軽度のうちなら、住宅型・サ高住・介護付きなど幅広く比較できます
- 本人が環境に慣れやすい:認知症や身体機能の低下が進む前に新しい環境に移ると、本人の適応がスムーズになりやすいといわれています
- 家族が比較検討する時間を持てる:急いで決める必要がないため、複数施設の見学や費用の比較をじっくり行えます。「急いで決めたら希望と違った」という状況を避けやすくなります
- 気持ちの準備ができる:本人・家族ともに、施設への移行を少しずつ受け入れていく時間が生まれます
反対に、要介護度が重くなってから慌てて探し始めると、希望に合う施設に空きがない、見学の時間が取れないという状況になりやすいです。余裕のあるうちに「どんな施設があるか」だけでも把握しておくことが大切です。
📌 まとめ
- 要介護1・2は「軽度」。特養は原則として入居対象外となる
- 介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サ高住は要介護1・2でも入居しやすい
- グループホームは認知症の診断があれば要介護1・2でも対象になる
- 費用は施設タイプで大きく異なる。特養より民間施設のほうが高いのが一般的(2026年時点の目安)
- 軽度のうちから動くほど、選択肢が多く、比較検討の時間も取れる
- 要介護度・費用・受け入れ条件は施設・自治体で確認することが大切
要介護1・2の段階は、施設の選択肢が最も広い時期のひとつです。「まだ早い」と思わず、この記事が施設選びの第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。